熱転写プリンタ
この頃、流通業界ではPOSの普及とともにバーコードが登場し、JANコードがJIS規格化されました。このバーコードを表示するのに最適なのが熱転写(感熱)方式で、シール(タック紙)対応のプリンタが数多く登場しました。
熱転写方式とはサーマルヘッドと呼ばれる板状の電子パーツに微細なヒーターが組み込まれたもので、用紙の走行とともにヒーターが発熱しインクリボンを溶かして転写する方式です。そのため縦縞のバーコードに最適な印字方式で、印刷に使うフィルムマスターに匹敵する高品質なバーコードを表示することができます。
その後、シール貼付の手間が省けることからロール(巻き取り)状の厚紙をシールに替えて印字するようになりました。印字後1枚毎にカットし、吊りタグとして衣料品を中心に利用が拡大しました。しかし紙厚や印刷、加工に制限があり、大量に消費する値札には使えても、ブランドタグには不向きでした。

1980年代に入ると、それまで一部の研究機関や大企業の物であったコンピュータが低価格化し、個人でも手が届くようになりました。パソコン(パーソナルコンピュータ)の登場です。それまでの熱転写プリンタはスタンドアロン(プリンタ単体)や専用のマイコンで動かしていましたが、パソコンに接続して動作させる機種も登場するようになってきました。
時代は大量生産から多品種小ロットへと移り変わり、頻繁に印字内容を変える必要性が増えました。活字式の印字機の場合、手作業で文字を差し替え(組み合わせ)る必要があり、手間がかかる一方です。パソコンなら、キーボードを操作するだけで内容の可変が簡単なため、印字のデジタル化が進みました。

しかし、ブランドタグへ直接印字出来る熱転写プリンタがなく、取り残された形となっていました。そこで弊社で単枚糸付きタグ対応の熱転写プリンタCP-21を開発しました。この機種は、用紙を下から吸盤で取り出し横にスライドさせてから縦方向に印字するものでメカトロニクスとエレクトロニクスを巧みに組み合わせた画期的なものでした。CP-21は業界初となる糸付き単枚プリンタで、これでようやくブランドタグにもバーコードを直接印字できるようになりました。CP-21は、JP-712として現在にも受け継がれています。


  
CP-21

衣料品に不可欠な洗濯ネームでも同じような流れがあり、活字式印字機に替わるプリンタの開発が求められました。しかし、洗濯ネームでは絵表示とともに
赤×印の印字が必要で、当時の技術では洗濯に耐える赤色のインクリボンがなく、熱転写で印字することが不可能でした。そこで弊社では、熱転写方式と活字方式を組み合わせたCXP-307を開発しました。これは黒色部分は熱転写、赤色部分は活字で印字をするユニークな方式で、印字機と熱転写プリンタ双方を作ってきた弊社ならではの製品です。CXP-307は現在のVPシリーズに発展しています。


  
CXP-307

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